酒と泪と藤井のおっさんと財務諸表

http://d.hatena.ne.jp/kanryo/20031022#p2

私は当然道路資産の評価については諸説ある(のみならず普通の道路以外の資産だって)ということは常識として知られているものだとばかり思っていたのだが、どうもそうではないみたい。

……会計専攻の自分が言うのもなんですが、おそらく「資産評価には複数の方法がある」ということは、残念ながら常識にはなり得ていないと思います。慣れている人にとっては自明のことなのですが、その「自明」のライン引きは難しいですね。


では、ちょっとだけ資産評価について、簡単なおはなしをします。単純化した話ですので、多少荒っぽいことをご了承ください。

この場合の「評価(valuation)」とは、ある資産をどれくらいの金額で表すことができるか、を意味します。ここでは有形(要は形の有るもの)の資産について考えます。なぜ、資産を評価するか、ということはひとまず措きます。(書けたら後ほど書きたいです)

どうやって、自分が持っている資産を評価するか、です。

いくつか方法があります。

1、買った時の費用(取得原価基準)

2、今買い直すとしたら、かかる費用(時価:再調達原価基準)

3、今売り払うとしたら、かかる費用(時価:売却時価基準)

おおまかに言うとこの三つが、合理的(誰が計算しても同じ値になる)に算出できそうな基準です。

具体的な例を挙げます。一冊の本が手元にあったとします。自分はこの本を1,000円で買ったのですが、実際に中古市場で買い直すとしたら半額の500円、売り払うとしたら100円になります。では、この本の資産評価はどれくらいになるでしょうか?

このように、選択する基準によって資産額は大きく変動します。

この基準は、毎期続ける限り、どれを選んだとしても「一般に認められた会計原則GAAP::Generally Accepted Accounting Principles)」に合致しています。

資産評価が一定のものとは限らない事情は、資産の評価法が複数認められ、かつ、妥当性があるからです。