有価証券報告書、訂正456社 目立つ「うっかり」

http://www.asahi.com/business/update/1218/002.html

西武鉄道による有価証券報告書の虚偽記載問題を受けて金融庁が求めた報告書の点検に対して、締め切り日の17日の夕刻までに456の企業が訂正を申し出た。報告書開示義務がある4552社の1割が、その内容に不備があったことを認めた形で、企業情報を知る基本書である有価証券報告書の不正確ぶりが改めて浮き彫りになった。

456社は、金融庁が再点検を求めた11月16日から締め切り日の12月17日午後4時半までに訂正報告書を提出し、受理された企業数。窓口となっている関東財務局によると、訂正報告書はこれ以降も受け付けており、訂正報告書の提出社数は最終的にはさらに多くなる見込みだ。

このうち、西武鉄道と同様に大株主の保有比率について事実と違う数値を記載していた企業は、マスコミ業界で目立った。広島エフエム放送テレビ北海道秋田テレビ沖縄テレビ放送、中国放送九州朝日放送テレビ大阪山口放送などが該当する。いずれも大株主である新聞社やテレビ局の保有株比率が実際より過少に記載されていた。

マスコミ以外では、サントリー(鳥井信吾副社長の5万株保有は、持ち株会社・寿不動産の保有に訂正)、東急レクリエーション(元東映会長の岡田茂・相談役名義の株の一部が実際には東映の保有株だった)などのケースがあった。

今回の訂正には株主の住所を間違えていたなど、うっかりミスによるものも多く含まれている。UFJ銀行の完全子会社であるUFJエクイティインベストメンツが保有する約100社分の株式名義が、かつて保有していたUFJ銀行のままになっていた。UFJを株主とする岩谷産業などが一斉に訂正を届け出た。

また、UFJホールディングスは有価証券報告書や半期報告書に計20項目の記載漏れや記載ミスを発見。17日付で訂正した。

期間中には、金融庁の要請外の項目を点検して出された訂正も少なくない。毎日新聞社は、大阪市北区に所有する事業所の土地の帳簿価額を、実際より約128億円過大に表記していたのを訂正した。02年3月期に土地の価格を再評価した際に、「転記ミスがあった」(同社社長室)という。

中堅商社の三谷産業(本社・金沢市)は、7月に経費の付け替えなど不正な会計処理が発覚。11月30日付で、過去3期の経常損益を黒字から赤字に訂正した。

(12/18 03:05)