トリックやプロットに妙があり、謎がロジカルに解き明かされる本格ミステリが好きなのです。この条件にあてはまれば、犯罪が起こらなくてもいいくらいです。犯人あては得意じゃないので、筆者の仕掛けたサプライズを楽しむ読者なのですが、その筋が荒唐無稽だと萎えてしまうくらいには本格好きであります。最近はあまり読めません。

今日の殊能将之さんの日記に

面白いアイディアが書かれていたので引用します。

本格ミステリのネタのひとつに「意外すぎる犯人」というのがある。「作者が犯人」は、もはや陳腐すぎて、ひとひねりしないと使えない。「読者が犯人」は、かなりアクロバティックな仕掛けが必要なので、うまくやらないとずっこけてしまう。

 で、ケロちゃん(仮称)がらみの話題で思いいたったんだけど、ウラジーミル・ナボコフ『青白い炎』(富士川義之訳、ちくま文庫)は「解説者(注釈者)が犯人」だな。本格ミステリ的にも新しいかもしんない。

 あ、これはネタバレじゃないですよ。ケロちゃん(仮称)と同じで「そんなネタは存在しない」から。

 ここからが本題。読んでないからわからないんですが、ホセ・カルロス・ソモサ『イデアの洞窟』(風間賢二訳、文藝春秋)って、もしかして「翻訳者が犯人」なんですか。それなら読んでもいいな。

 あとは何が残ってるんだろう? 「編集者が犯人」? 「校閲者が犯人」? 書物の誤植や虫食いがトリックに使われたミステリは実在するから、できなくはないか。

読者が犯人、という話は、今まで読んだ中ではあまり好みじゃなかったですが、ここに挙げられたタイプのミステリは読みたいな、と期待しています。時間が空いたときに読めるようにメモ。