http://www2.kumagaku.ac.jp/teacher/~sasayama/macroecon/mailmagarw.html

それに対して,「データの動きはデータそのものに聞け」という見方がありま

す.為替レートであれば過去の為替レートのデータだけを大量に収集してきて

その特徴をとりだして,現在の為替レートは過去の為替レートの動きで説明し

ようとします.このような考え方を「時系列分析(time series analysis)」

と呼んでいます.時系列分析の最も基本的な形が1次の自己回帰モデル

First-Order Auto Regressive model)です.次のような形をとります.

円ドルレート(t)= 定数項 + φ 円ドルレート(t-1)+ 攪乱項(t)

φ(ファイと読みます)はある一定の係数です.上の式は,今日の円ドルレー

トは昨日の円ドルレートにある一定の係数をかけた値に今日の攪乱項(かくら

んこう)を加えた値から決まることを表しています.ここでいう攪乱項という

のは,確率的に決まる変数であり,どのような値がでてくるかは事前にはわか

りません.ただし,まったくでたらめというのではなく,この攪乱項はある一

定の幅内で変動し,全体を通して平均すればゼロとなるような変数です.この

ような特徴をもつ攪乱項のことを「ホワイトノイズ(white noise:白色雑音

)」と呼んでいます.光の性質を調べると,その中の白色が持っている性質に

似ているのでこのような名前がついています.