カラフル
なつやすみのしゅくだい*1でした。
実をいうと、12月*2に読了していたのですが、感想をまとめる時間がとれなかったのでメモしていました。以下にコピペします。
地の文がシニカルで気に入りました。子供にも耐えられる程度のシニカルさでちょうど良い、と感じました。他の著書も追って読むことにします。多分、読んだ時期が中学生くらいだったら自分は受け入れてなかったでしょう。中学生のときは、世間知らずである反面、知らないことで強気でいられました。規範から外れることなど思いもよらない程度に、自分はいわゆる良い子で、少しだけ過剰に潔癖でした。
構成については、絵を描くあたりで気づいてしまいました。多分こうだろうなあ、と。が、気づかないほうが楽しめるでしょう。
ホームステイ、という考えが愉快でした。気持ちが楽になるアイディアは多めに持っておいて、ふとした折に取り出して自分で眺めてみたり、人に開陳できれば楽しいです。
そうすると表題も意味が見えてきます。登場人物はどいつもこいつも同程度に薄汚れているのに、悪人はいません。
それは、黒だと思っていたものが白だった、なんて単純なことではなく、たった一色だと思っていたものがよく見るとじつにいろんな色を秘めていた、という感じに近いかもしれない。
鴻上尚史のエッセイ「ドン・キホーテの***3」に書かれていたことですが、絵が巧い人は、同じ原っぱを見ていても、たくさんの色が見えるそうです。絵が巧くない人はそれほど多くは見えません。そういったことが織りなされているのでしょう。
批判するとすれば、……ひろかちゃん、じゃない女の子のほうは構成上、要らないですね。物語の周辺を語らせるための要員に見えます。